Japanese
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綜説
白血球減少症に対するチスチン製剤の効果—パニールチンを中心として
Results of Cysteinic Substances for Leniopeuia
梅谷 恵子
1
,
大塚 礼子
1
Keiko UMETANI
1
,
Reiko OTUKA
1
1札幌医科大学外科学教室
1SAPPORO Medical College
pp.453-460
発行日 1955年7月20日
Published Date 1955/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407201641
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緒言
悪性腫瘍に対する治療として,X線照射やNitrogen Mustard(以下N. M.とする)が使用されている.しかしこれらにはいずれも二次的障碍として白血球減少をきたす副作用がありその予防法および治療法は種々研究されている.すなわちCystein,Cystin,還元Glutathion,BALなどのSH化合物が保護的に作用することは,WeisbergerおよびRosenthal,Goldschmidt and Pickeringあるいは平出氏らによりすでに報告されており,またVitamin B12,葉酸なども効果があるといわれている.一般に放射線およびN. M.にはともに細胞分裂を阻止する作用があるといわれるが,これらの作用は広汎にわたつてSH基の機能を酸化的に奪取するものであるが,これに対しSH化合物を添加すればSH基の機能が再賦活され,これにより造血組織の再生速度がたかめられるといわれている.
われわれはNitromin(Nitrogen Mustard N-oxide以下Nとする)を用いて家兎に白血球減少をひきおこさせ,これに対しPaniltin(Cystin以下Pとする),Fresmin(V. B12以下Frとする)Foliamin(葉酸,以下F1とする)を使用し,その効果を比較検討し認むべき結果をえたので報告する.
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