診療室
擦過塗抹標本法により發見した20例の不可視癌について
和田 一男
1
,
髭 一男
1
1慶應義塾大學醫學部産婦人科教室
pp.83-85
発行日 1954年2月10日
Published Date 1954/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200982
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緒論
吾が國に於ては年々8,000名内外の婦人が子宮癌で死亡してをり,本疾患が婦人科領域に於ける最も重要な疾患の一つである事は云う迄もない。慶應義塾大學醫學部産婦人科教室に於ても,昨年度全外來患者8,389人中癌患者は132人(1.57%)の高率を示して居り,今更乍ら癌對策の重要さを痛感される。
癌に對する有力な治療法としては手術,及び放射線療法のみで,化學療法の獲達しつゝある現在に於ても同法はなお單に一時的な効果を發揮するのみであり,從つて癌發見の時期は其の治療効果を左右する最も重要な因子であることに變りはない。
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