症例研究
塗抹標本により發見された不可視子宮癌の3例
中村 實
1
1慶應義塾大學醫學部産婦人科學教室
pp.115-117
発行日 1952年3月10日
Published Date 1952/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200596
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緒言
塗抹標本法がG.N.Papanicolaou及びTrautによつて發見され,Ayreによる擦過法が行われる様になり,我國においても既に實驗期を過ぎ,同法が重要なる子宮癌診断法の一となつて來ている。
私は慶應義塾大學醫學部産婦人科において,外來及び人院患者について昨年始めより同法を行いつゝあるが,最近子宮筋腫の疑いにて入院せる3名の患者が同法にょり不可視の子宮癌である事を發見し,根治手術により摘出せる標本の子宮腟部より多數の組織切片を作製した所全例において意外にも浸潤癌である事を證明したので,こゝに報告する次第である。
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