症例研究
アトニン點滴靜注法による陣痛誘發法の追試
千葉 卓
1
1福島醫科大學産婦人科學教室
pp.419-421
発行日 1953年7月10日
Published Date 1953/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200867
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I.まえがき
從來陣痛誘發法として,機械的方法にはブジー挿入法,メトロ又はコルポイリンテル挿入法等あるが,最近はリバノール液卵膜外注入法が盛に行われている。藥物的方法としては,ヒマシ油キニーネ内服,後葉ホルモン少量皮下注射等がある。
後葉製劑は1909年Blair Bellにより産科に於て始めて用いられたが,當時は第1期,第2期に用いると胎兒死亡,子宮破裂を來すことあるを恐れ,主として第3期に用いた。1927年Hofba—uer1)はこれ等の危険を避けるために經鼻的に用いる方法を試みたが,吸收率の個人差が大きくその效果も一定の結果が得られなかつた。その後少量宛皮下注射による陣痛促進も行われて來たが,その效果必ずしも所期の如くではなかつた。1947年Dieckmann3)等も第1期,第2期に後葉製劑の少量を20分毎に皮下注射し陣痛微弱を治療した,1949年Hellmann5)は筋肉内に注射する方法を試み,同時に靜脈内に稀釋後葉製劑を注入する方法をも行い,筋肉内少量間歇的注射法と同様の成績を得たと云つている。1951年John S. La—bat4)は原發性及び續發性陣痛微弱,陣痛誘發,帝王切開手術後出血,弛緩出血等に稀釋ヒツイトリン靜脈内點滴注入法を行い,好結果を得たことを報告している。
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