症例研究
Coffey-Mayo氏手術及び外陰閉鎖術の經験2例
藤田 眞助
1
,
草刈 一洋
1
1東京醫科大學産婦人科學教室
pp.421-424
発行日 1953年7月10日
Published Date 1953/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200868
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緒言
産婦人科領域に於ける尿瘻の主なるものは,分娩時,殊に鉗子分娩に際して生ずる膀胱乃至尿道腟瘻及び性器癌治療に伴う尿管腟瘻乃至直腸腟瘻等であり,その頻度としては,総外來患者の0.1〜1.0%と云われている。
此等の尿糞瘻は一度發成するや生命的危険はないが,社會的生活は全く暗黒に閉さるるの外,精神的並びに肉體的苦悩は想像以上のものがある。我々は稍々進行子宮癌の廣汎性全剔除術後,再發豫防のため,レ線後照射及びラジウム照射を施行した患者に於て,尿糞瘻の發生を見數回の瘻孔閉鎖術を行うも失敗し,ために遂に外陰閉鎖術を行う事によつて治癒せしめた1例及び鉗子分娩後發生せる大なる膀胱尿道腟瘻に對してCoffey-Mayo氏手術を行い,目的を達した例を經驗したので,ここに追加報告しようと思う。
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