綜説
脳下垂體後葉製劑の静脈内點滴注入法に就て
篠原 弘藏
1
1關東遞信病院産婦人科
pp.513-518
発行日 1953年9月10日
Published Date 1953/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200889
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
まえがき
戰時中諸外國に立ち遲れた吾醫學も終戰後は目覺しい勢いで世界の水準に達せんとし,又事實一部に於ては既に水準又はそれ以上に及ばんとするものもあることは誠に喜こばしい現象である。ただこの遲れを感じた吾々醫學者の意慾と焦躁とにより,往々にして歐米の醫學を模倣追随することのみに性急となり,之に何等の修正をも加えず無批判に之を移入し能事了れりとなす傾向がないでもない。今ここに述べようとする本法も亦吾々産科醫ことつては確に新しい陣痛の促進法又は誘發法ではあるが尚追試検討を要する方法であると思う。
筆者も戰後本法に關する諸成績を熟讀玩味して夙に之を移入實施しようと考え,現在各種の基礎實驗を行いつつあり,特に人體應用に際しては陣痛外計測法及び心音描記の同時使用を試み,鋭意その成績の検討につとめているが未だ發表の域に達していない。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.