原著
尿の表面活性に關する研究(第2報)—妊娠月齡による尿表面活性質の性格の異動に就いて
高橋 央吉
1
1東京醫科齒科大學生化學教室
pp.407-412
発行日 1953年7月10日
Published Date 1953/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200865
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I.緒言
第1報1)の緒論に於て詳述したように,健康血液或は血清は非常に狹い範圍に緩衝されている爲高度の恒常性を有し,爲めに病的血液或は血清との比較により,些少の健病差と雖も明瞭に發現し,醫學上の精密實驗は殆んど之のみを材料として行われて來たが,一方尿は種々の因子の影響によりその性格が甚だしく變動し易い爲めに,從來の方法では精密實驗の對象にはならなかつた。
然し,最近の醫學上の諸研究は長期に亙つた逐時觀察を要するものが非常に多く,血液又は血清を材料とした時には,患者の負擔が甚だ大となり,時には貧血を招き,その實驗結果が貧血により影響される場合も生じて來るものと思われる。
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