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梅兒母體毒の血清反應の意義
島津 幾之進
1
,
福島 修
1
,
北井 德藏
1
,
酒卷 辰夫
1
1慶大産婦人科教室
pp.146-149
発行日 1952年4月10日
Published Date 1952/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200606
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緒論
梅毒母體より出生せる新生兒に於いて,梅毒の診斷を確立する爲に,古來,色々な検査がなされて來た。一般身體徴侯検査,梅毒血清反應,長骨レ線寫眞,臍帯血管のスクラッピングの暗視野鏡見,疑わしい皮膚,粘膜傷の暗視野鏡見等である。
然してその中,梅毒血清反應は比較的容易になされる診斷であり,本邦に於いては,最も一般に採用されている様である。そして之が爲に過去に於いて,健康な非梅毒新生兒が梅毒と誤診され,誤つた治療をなされている事が稀でない。然るに新生兒の梅毒の診斷手技としての血清反應意義の限界は非常に古くから云われている事である。1915年(ワツセルルマン反應が發見されてから9年目)英國のFildesは新生兒に於いて梅毒血清診斷に於ける信頼性の無い事を報告し,生後間も無い期間の新生兒の梅毒血清反應陽性は先天梅毒兒を意味するのではなく,その母體が梅毒である事の證明であると述べている。その後更にDabney,Herman, Hans, Cooke等が之に關して追試を行つている。
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