特集 避妊と不妊
避妊の理論と実際
生物學的避妊法に就て
長谷川 敏雄
1
1東京大學
pp.667-668
発行日 1952年12月1日
Published Date 1952/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200746
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婦人を生物學的方法に依て不妊にすることは,所謂精子免液Spermaimmunitätと云う構想に其の端を發するものである。即ち無數の精子を含有する精液或は睾丸乳劑を動物體内に非經口的に連續注入すると,一定時日後に該動物血清内に精子の運動を抑制し,遂に完全に之を停止せしめる一種の抗體,即ち所謂Antispeumin又はSper—matotoxin (Venemaの提案以來Spermo-od.Spermatoxinよりも例えばHepatotoxinの如くSpermatotoxinと呼ぶ方がより正しいとされている)が産生され,共の作用に依て動物は一時不妊になるとする説で,1926年頃を頂點として約10年間に亘り多數の學者に依り研究されて今日に及んでおる。
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