特集 避妊と不妊
避妊の理論と実際
ホルモン性不妊症
藤井 吉助
1
1昭和醫大
pp.669-672
発行日 1952年12月1日
Published Date 1952/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200747
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ホルモンによる不妊法は,1919年Haberlandtの業績發表以來,世人の注目するところとなつた。即ち彼は妊娠動物の卵巣を移植することによつて,家兎及び海溟を一時的不妊にした。更に彼は妊娠動物の卵巣滲出液及び胎盤滲出液注射によつて,同様な成果を得た。又これらを徑口的に投與して,雌性動物を一時的不妊にすることが出來たのである。
Haberlandtの研究發表以來,Kovacs等は胎盤により,Mahnert等は黄體製劑により,Lotzeは妊娠血清により,Haupstein等は卵胞ホルモンの大量により,Zondek,白井等ほ腦下垂體前葉製劑により,又白井,飯田等はトロホブラストホルモンにょり,E.Vogt等はインシユリンにより,小川はAdrenalinにより,Svavini等は睾丸滲出液によつて,一時性不妊を惹き起し得ることを報告した。以上の報告或はそれらの追試者の多くは動物實驗である。臨床實驗による不妊法については極めて少ないのである。
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