檢査室
膣内容塗抹標本の統計的取り扱い方つにいて
佐藤 彰一
1
,
齋藤 祐吉
1
,
古橋 健司
1
1慶應義塾大學醫學部産婦人科教室
pp.364-366
発行日 1951年9月10日
Published Date 1951/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200533
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腟内容塗抹標本に關する永年のPapanicolaou苦心は報いられて現在では産婦人科學に於て1つの學問的方向を示していることは,終戰後わが國に於て,木内,石川,樋口等の業績によつてうかゞうことが出來る。腟内容塗抹標本の研究方向は,1つは性ホルモン状態との關連性の問題であり,1つは惡性腫瘍との關連性の問題である。性ホルモンと性機能との關連性に關しては,ほゞその基礎的な事項は究められている。今後の問題はそれを實際に臨床上に如何に滲透せしめて行くかと言うことであると考えられる。木内は終戰後腟内容塗抹標本の細胞分類の簡潔化を行いとれを分類し深層より上層へとその番號を増加させ番號を與え,新生兒の腟内容塗抹標本を檢索し出生より日と共に次第に下層のもの即ち番號少きものへと移行することを論じ,性ホルモン排泄との關連性を明示した。著者等はこれより出發し適切にこれらの成績を合理的に推計學的に取扱う方法を考え,次の方法を提示し大方の批判を乞う次第である。
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