原著
強力カネォミノファーゲンCに依る婦人科疾患特に腰痛並に瘙痒に對する治療成績に就いて
山田 滿寬
1,2
,
淸野 完治
1,2
1熊本大學醫學部産科婦人科學教室
2市立熊本産院
pp.64-66
発行日 1951年2月10日
Published Date 1951/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200443
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緒論
腰痛乃至下腹痛は内科外科神經科領域でも日常最も屡々訴えられる症候であるが産婦人科で各種の諸疾患にも亦頻繁に見る主訴である。吾教室昭和12年1月1日より同21年12月31日迄滿10ヵ年間の婦人科外來患者3810例の統計(新村194811))に依れば腰痛を主訴とする者最も多く1291名(38.88±0.52%)(第1表)に及び,下腹痛は1056名(27.71±0.48%)で實に第3位を占める。Martius 19392)は腰痛の原因は子宮後轉症,子宮内膜症,月經困難症,結合織炎及び骨盤腔腫瘍によるものが最も多いと謂うが教室の統計(新村19473))では(第2表)殆んど大部分の婦人科疾患に亘つて高率に主訴となつている。
飜つて疼痛發現の機轉は未だ必ずしも充分には解明せられてはいないが,一般には知覺神經に物理的乃至化學的刺戟が加わりこの刺戟が脊髓後索・視丘を經て大腦皮質の知覺感受帶即ち所謂疼痛中樞に達して初めて疼痛として感受されると考えられる。
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