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機能的双角性と形態的双角性
野島 美喜造
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1慶應義塾大學醫學部産婦人科教室
pp.75-80
発行日 1948年4月1日
Published Date 1948/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200114
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緒言
抑々生體現象には生理學的現象と形態學的現象の二つの現象面がある。生理學的現象と形態學的現象状ち機能と形態とは恰も楯の兩面の如く兩者は不可分の現象である。生體は機能と形態との不可分な全體として存在する故に,生體の諸現象を純形態的或は純機能的にのみ解明せんとすることはこの意味では一面的であり生體現象を具體的に認識することは出來ぬであらう。
我々は弓状子宮,双角子宮,重複子宮等と子宮の畸形として形態的双角性(morphologishe Bi—kornität)といふことは古くより知り又成書にも詳細に記載されてゐる所である。然らば機能的双角性(Funktionelle Bikornität)とは如何?この疑問は後述の如く子宮の比較解剖學的,發生學的考察或は畸形子宮の妊娠,分娩の體驗より起つて來る。歐米では機能的双角性に就て研究せる者は少數であり,或が國では殆んど觀られてゐない?態である。本稿は機能的双角性を形態的双角性との對比に於て實験例をあげ論ぜんとする。
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