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子宮癌患者の電氣心働圖檢査に於ける部分誘導法に就いて
藤森 速水
1
,
三木 利雄
2
1大阪市立醫學専門學校産婦人科學教室
2大阪市立醫學專門學校内科學教室
pp.191-196
発行日 1947年8月1日
Published Date 1947/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200094
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第1章 緒言
電氣心働圖檢査法は内科的領域許りでなく,産婦人科的疾患の診斷にも必要缺く事の出來ない事は更めて紹介する迄もない。殊に我々が子宮癌根治手術の施行に際し,局所の癌進行程度の外に,循環器機能程度の上からその手術可能性を豫測せんとする爲には,電氣心働圖檢査法が絶對不可缺の1方法である事は周知の所である。
然し乍ら臨牀的に行はれて居る在來の肢誘導法は心臟筋肉内に起る働作電流を四肢に於いて把え,それに依つて得られた圖形に據り心臟機能を判斷する方法である。從つて,この方法は心臟機能を判斷する爲には直接的方法とは云ひ難く,更に又,この時の導子に傳導する電流波は心臟の左右から發する電位差の電波の干渉の結果の像を示すものに過ぎない。それ故,心臟の左右何れに障碍が存するかを窺ふ爲には,在來の肢誘導法を以てしては全く不可能である。
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