増刊号 産婦人科処方のすべて─すぐに使える実践ガイド
婦人科編
III 更年期・老年期
皮膚搔痒症/脱毛
樋口 毅
1
1弘前大学大学院保健学研究科
pp.139-142
発行日 2014年4月20日
Published Date 2014/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103694
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疾患の概要
皮膚搔痒症
皮膚に皮疹などを欠くにもかかわらず,痒みを訴える疾患群が皮膚搔痒症である.同部位には掻破による紫斑や掻破痕を認めることが多い.男女比では男性に多く,それぞれ,50~60歳代,40~50歳代が好発年齢である.汎発性搔痒症と限局性搔痒症に分けられる.前者は身体の主要部分(頭頸部,体幹,四肢)の複数部位に症状がまたがるもので,後者では外陰部,肛門周囲に生じることが多い.
脱毛症
脱毛症とは脱毛が生理的な程度を超え,毛髪の間から頭皮が透けて見える状態である.中高年女性に多い脱毛症は,毛髪サイクルの変化で休止期毛が過剰に増えるために頭部に均等に起きる休止期脱毛症と,男性ホルモンにより毛包の成長期が短縮かつミニチュア化した結果,前頭と頭頂で頭髪が軟毛化する男性型脱毛症に大別できる.後者に女性がなった場合,男性症例と異なり,前頭の脱毛部の境界が不明瞭なことが多く,女性型脱毛症とも呼ばれる.
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