合併増大号 今月の臨床 生殖医療の進歩と課題─安全性の検証から革新的知見まで
ARTの発展
2.精巣組織の凍結保存
横西 哲広
1
,
小川 毅彦
1,2
1横浜市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学
2横浜市立大学医学群分子生命医科学系列プロテオーム科学(生命医科学)
pp.54-63
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103584
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●生殖腺毒性を有する治療を行う際に,後遺症の1つとして不妊症があることを説明する必要がある.性成熟した男性がん患者が妊孕能の温存を希望した場合は治療前の精液保存が奨励される.
●性未成熟な患者においては,研究段階であるが精子幹細胞凍結保存法,精巣組織凍結保存法がある.しかし臨床応用において安全な分化誘導技術がない.近年マウス精巣組織の器官培養法が改良され,精子産生が可能となった.これは凍結精巣組織の分化誘導法として多くの恩恵があると考えられる.
●今後,効率的な精巣組織の凍結保存法の確立と,ヒト精巣組織のin vitro分化誘導法の開発が期待される.
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