合併増大号 今月の臨床 生殖医療の進歩と課題─安全性の検証から革新的知見まで
ARTの発展
1.老化卵子救済のための卵細胞質置換
田中 温
1
,
田中 威づみ
1
,
永吉 基
1
1セントマザー産婦人科医院
pp.49-53
発行日 2014年1月10日
Published Date 2014/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103583
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●老化卵子は救済できる可能性が高い : Baiらの論文1)では,老化卵子の核を若い卵子の細胞質に注入した卵子の胚盤胞発生率は86.2%と高値を示した.
●M-II期の染色体はほぼ100%確認できる : ノマルスキー微分干渉装置を装着した倒立顕微鏡下で染色体の位置を確認したところ,約80%は第一極体の近傍にあり,約20%は離れた部位に認められた.また,この結果はスピンドルビューを用いた方法でもほぼ一致した.
●ヒトM-II期卵子の細胞膜は軟らかいので直接注入ができる可能性がある : 今までの実験の経験則から,直接注入ができるのではないかと考えている.
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