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編集後記
倉智 博久
pp.874
発行日 2013年8月10日
Published Date 2013/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103478
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最近,専門医制度は多くの国民の関心を集め,新聞にもしばしば報道されるようになった.2017年度に専攻医研修を開始する研修医からは,産婦人科を含む基幹学会の専門医は第三者機関が認定することとなり,このことはマスコミにも大きく取り上げられた.この第三者機関は,今まで専門医制度の制度設計を担ってきた「日本専門医制評価・認定機構」の関係者が担当することとなるものと考えられている.専門医制度が国民の関心を集める理由は,学会の“専門医”といえば,その専門医が「どんな医療を」,「どのレベルで」できるのかについて,客観的な基準を示すことが求められているからである.各学会が独自に認定する現在の制度では,学会間で認定の基準などに相違がでる可能性は高く,したがって,この点については,第三者機関の役割は理解できる.また,評価・認定機構が要求している要件で,専攻医の研修は,たとえば医学部付属病院とその関連病院とが一体となったプログラムを組んで募集する方向性を打ち出していることにも共感できる.しかし,機構の要求の中で,地域の専門医数を制御しようとしている点については,医師が活動する地域の制御につながる可能性があり,大いに危惧を感じている.今後,われわれも専門医制度の方向性に注意しておく必要がある.
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