連載 FOCUS
子宮体癌発生の分子機構―特に癌幹細胞の観点から
中村 充宏
1
,
京 哲
1
1金沢大学医学部産科婦人科学教室
pp.718-723
発行日 2013年7月10日
Published Date 2013/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103443
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はじめに
癌細胞は,細胞の不死化,無限増殖,そして浸潤と転移能を有するのが特徴である.以前より癌細胞は同じ遺伝子異常を有した単一クローンであるという概念のもとにp53,Kras,PTENなどさまざまな遺伝子異常の解析が各癌腫で行われ,これら解析の結果が発癌メカニズムの解明や治療の応用に寄与してきたことは疑いのないことである.一方近年,癌細胞の一部に自己複製,分化そして造腫瘍能を併せ持ったいわゆる癌幹細胞(Cancer stem cells,CSCs)という概念が提唱されてきた.本稿では子宮体癌(子宮内膜癌)における癌幹細胞を中心にわれわれのデータを含めて紹介する.
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