連載 FOCUS
卵子幹細胞研究の最近のトピック
高井 泰
1
1埼玉医科大学総合医療センター産婦人科
pp.172-176
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103259
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はじめに
最近,卵巣組織中,あるいは胚性幹細胞(ES細胞)・人工多能性幹細胞(iPS細胞)から卵子幹細胞と考えられる細胞が分離,あるいは作成され,マウスでは産仔が得られたとの報告がなされた.特に卵巣組織中から増殖可能な生殖系列細胞が得られたという報告が複数の研究機関からなされたことは,成体卵巣中の始原生殖細胞は補充・再生されないという従来の学説の見直しを迫るものである.卵子幹細胞の発見は,ART(生殖補助医療)などの不妊治療や悪性腫瘍患者の妊孕性温存のみならず,卵子生成のメカニズムの研究にも応用可能と思われる.
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