今月の臨床 卵子の加齢─避けては通れないARTの課題
加齢対策基礎研究
2.幹細胞を用いた卵子の再生
寺村 岳士
1
,
細井 美彦
2
1近畿大学医学部高度先端総合医療センター再生医療部
2近畿大学生物理工学部
pp.565-570
発行日 2012年6月10日
Published Date 2012/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103079
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●幹細胞を用いた生殖細胞の新生は,難治性不妊症の新たな治療アプローチとなりうる.
●卵子幹細胞の存在は卵巣予備能回復の光明となるが,残念ながらその存在の有無に議論の余地がある.
●現状で最も有効であると考えられるのは,ES細胞,iPS細胞など万能細胞を使った卵子の新生である.
●マウスではすでに受精能をもつ精子様細胞の誘導が確認されており,ヒトでも半数体細胞を誘導した報告がある.
●卵子の誘導に関しては発生様式上および構造上,現在の方法では困難な可能性があり,さらなる技術的改良が必要である.
●体外での卵子新生は,卵子の供給だけでなく卵子発育過程へのアクセシビリティを高め,創薬研究にも役立つ.
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