連載 Estrogen Series
任意の両側卵巣摘出術(2)
矢沢 珪二郎
1
1ハワイ大学
pp.480-481
発行日 2012年5月10日
Published Date 2012/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103056
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前回に続いて良性疾患を適応とした子宮摘出術に伴う任意の両側卵巣摘出術(elective BS&O)について考察してみたい.前回で取り上げた著者らは,さらに29,380例の良性疾患による子宮摘出例についてBS&Oの問題を調べ,これは2009年に発表された1).今回はこの論文をご紹介したい.子宮摘出術を受けた29,380人のうち55.6%がBS&Oを伴い,44.4%に卵巣保存がされていた.その追跡期間は24年間で,BS&O群と卵巣保存群のアウトカムを比較検討した.
全体としてみると,卵巣摘出群の死亡率は増加していた(HR 1.12,95%CI 1.03~1.21).このデータを著者は「卵巣摘出を受けた女性24人につき,1人が卵巣摘出の結果として死亡が早まったpremature deathを経験することになる」と表現している.
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