連載 Obstetric News
早産予知─3つのキー(4)―頸管長測定と胎児性フィブロネクチン検査の組み合わせ
武久 徹
1
1武久レディースクリニック
pp.482-483
発行日 2012年5月10日
Published Date 2012/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409103057
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
経腟超音波による頸管長測定と胎児性フィブロネクチン(fFN)検査によるスクリーニングを併用すると,個々の単独検査による早産予知率を上まわる.未破水で満期前子宮収縮で入院した妊婦215例(妊娠22~35週,頸管開大3 cm以下)を対象に,超音波による頸管長計測と腟分泌物内fFN測定の診断的意義を調べた.調査転帰は,入院後48時間,7日,14日以内の分娩,および妊娠32週以前,妊娠35週以前の分娩,さらに入院から分娩までの間隔とした.その結果,妊娠35週以内の早産率は20%(43/215)だった.自然早産率は,入院48時間以内7.9%,7日以内13%,14日以内15.8%,妊娠32週以前8.9%,妊娠35週以前15.8%だった.早産と頸管長,fFNには有意の関係があった.頸管長もfFNも早産予知の面ではともに有益だが,頸管長が30 mm未満の例では,fFN測定を加えることによって,早産予知に有意の改善が見られた(Gomez R, et al : AJOG 192 : 350, 2005).
経腟超音波による頸管長計測とfFNスクリーニングを併用すると,単独で推測した場合よりも,予知率は改善する.例えば,1つの検査が陽性(例 : fFN陽性,頸管長25 mm以下)でも,他方の検査が陰性なら早産リスクは増加するが,両方の検査が陽性の場合ほど高くない.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.