症例
IVRを用いて止血し得た帝王切開術後出血の2例
神保 正利
1
,
中島 義之
1
,
小泉 仁嗣
1
,
藤原 礼
1
,
土山 哲史
1
,
坂井 昌人
1
,
正岡 直樹
1
1東京女子医科大学八千代医療センター母性胎児科
pp.1579-1583
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102513
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今回われわれは,帝王切開術後の腹腔内出血に対し,Interventional radiology(IVR)により止血し得た2例を経験した.
症例1は左卵巣嚢腫(子宮内膜症性嚢胞)破裂による腹腔内出血(妊娠28週2日),症例2は常位胎盤早期剥離(妊娠30週5日)にて緊急帝王切開術を施行した.2症例ともに術中大量出血により術後DICとなり,腹腔内出血による出血性ショックを発症したために,抗DIC治療を行うとともに緊急で経カテーテル的動脈塞栓術(transcatheter arterial embolization : TAE)を施行,出血源である動脈の塞栓を行った.
TAEは出血源となっている血管の同定がしやすく,止血効果が高いことや,低侵襲であるために全身状態不良例に対しても緊急で行えるものの,迅速な対応が求められるためIVR科医師との連携システムを構築しておくことが重要である.
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