今月の臨床 低用量OCの普及をめざして
OC処方の実際
間壁 さよ子
1,2
1(医)神田第二クリニック
2オーキッドクラブ
pp.1503-1509
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102498
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はじめに
低用量経口避妊薬(oral contraceptives : OC)の処方においては,「低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン」が2005年に改訂され,患者の自費負担による過剰な事前検査がなくなり,問診を重視して血圧測定を義務づけるだけに簡略化された.このことにより多くの医師が女性のQOLを高めるためにOCを処方するようになったことは喜ばしいことである.
本稿では,このOC処方の増加と処方内容の実情,問題点について,筆者らが設立した非営利組織「オーキッドクラブ(2000年9月 : URL http: //www.orchid-club.gr.jp)」が医師を対象として実施したアンケート調査の分析結果をもとに報告する.また筆者の診療所がある港区(外国大使館,領事館が80以上ある)における多国籍の女性たちへのOC処方の実情,わが国のOCユーザーの高齢化,そして最近遭遇した,月経困難症や不正出血などの治療薬としてOCを処方する場合には,若い女性であっても悪性の病変が潜んでいる可能性を鑑別診断する必要があると痛切に感じた不幸な症例についても報告する.
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