今月の臨床 低用量OCの普及をめざして
OCからHT―女性のQOL改善のために
福原 理恵
1
,
福井 淳史
1
,
水沼 英樹
1
1弘前大学産科婦人科教室
pp.1510-1513
発行日 2010年11月10日
Published Date 2010/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102499
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はじめに
低用量ピル(oral contraceptives : OC)はエチニルエストラジオールとプロゲストーゲンを配合した合剤で,確実な避妊効果に加え,月経困難症の緩和,月経周期の正常化,さらには痤瘡の治療などさまざまな副効用を有するため,女性のQOLを高める薬剤として現在普及が進んでいる.一方,ホルモン(補充)療法(hormone therapy : HT)は更年期症状の緩和や骨粗鬆症などエストロゲン欠落に起因する高齢女性のQOLを改善,維持することを目的とする療法であり,エストロゲンとプロゲストーゲンを投与するという点で共通する.しかしながら,両者は使用されるエストロゲンの種類や生物学的効果が異なるという大きな相違点を持つ.卵巣機能低下が始まり,更年期への準備段階である40代女性においては,妊孕性も有していることから,避妊や性成熟期におけるさまざまな疾患の治療,さらには退行期疾患の予防などの点で,臨床の場面において,低用量ピルからHTへの切り替えについて迷うことも少なくない.本稿では,低用量ピルとHTの違いやまたそれに基づく切り替えについて述べる.
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