症例
術前診断に難渋した虫垂子宮内膜症を伴った卵管留膿症の1例
鈴木 茉衣子
1
,
久納 孝夫
1
,
尾上 重巳
1
,
吉田 克嗣
1
,
小出 紀正
1
,
貝沼 圭吾
1
,
安藤 徹
1
,
鳥本 雄二
1
,
廣瀬 省吾
2
1稲沢市民病院外科
2稲沢市民病院産婦人科
pp.1093-1096
発行日 2009年8月10日
Published Date 2009/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102164
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症例は40歳代の女性.腹痛を主訴に当院受診.CTで腹水貯留を認め,骨盤内に蛇行した造影効果のある管状構造物を認めた.骨盤内膿瘍による汎発性腹膜炎と診断し,腹腔鏡検査を施行した.術中膿性腹水を認め,虫垂炎が原因の腹腔内膿瘍形成と考えたが,骨盤内を詳細に検索すると,卵管留膿症であった.右卵巣を温存し,卵管を摘出した.組織的にも卵管留膿症であった.虫垂には子宮内膜症を認めた.女性骨盤内膿瘍では卵管留膿症も念頭におかなければならないと思われた.虫垂に子宮内膜症を認め,チョコレート嚢胞の既往より,卵管子宮内膜症による卵管閉塞が卵管留膿症の原因である可能性が示唆された.
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