今月の臨床 若年女性の月経異常を診る
【遅発月経・原発無月経2 原発無月経の治療】
1)視床下部・下垂体性無月経
藤田 智子
1
,
藤井 亮太
1
,
牧野田 知
1
1金沢医科大学生殖周産期医学講座
pp.1033-1037
発行日 2009年8月10日
Published Date 2009/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102151
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はじめに
視床下部─下垂体─卵巣系フィードバックシステムで機能調節が行われている卵巣の機能障害=排卵障害=無月経においては,卵巣にとっての上位中枢である視床下部や下垂体の障害を原因とすることが最も多く,特に若年女性における無月経の原因の過半数を占めている.しかしながら,視床下部性・下垂体性無月経はほとんどが続発無月経であって,本稿で取り上げる原発無月経における中枢性無月経の占める頻度は最近のアメリカ生殖医学会(American Society for Reproductive Medicine)の報告1)では体質性のものを除き13%程度とされている(表1).これらの原発視床下部性・下垂体性無月経について,簡単に病因と病態を述べ,その治療法について解説する.
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