今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
II 不妊の治療 A女性因子に対する薬物療法
【カウフマン療法】
45.排卵誘発法としてのカウフマン療法の適応,位置づけについて教えてください.
山下 正紀
1
1山下レディースクリニック
pp.467-469
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102034
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[1]カウフマン療法とは
「カウフマン(Kaufmann)療法」とは,1933年,ドイツのCarl Kaufmannが卵巣を摘出した女性に,エストロゲンとプロゲステロンを順次投与して月経様の性器出血を起こしたと報告したことにより知られることとなった,月経の再開を目的とした治療法である1).エストロゲン─プロゲステロンを一定期間,周期的に投与することが,カウフマン療法の基本概念である.
日本産科婦人科学会の生殖・内分泌委員会「思春期における続発無月経の病態と治療に関する小委員会」が行ったアンケート結果(1997~1998年度検討結果報告)から,挙児希望がない思春期の続発性無月経においては,第1度無月経の77.1%,第2度無月経の実に95.5%において,このカウフマン療法が単独で,もしくは「クロミフェン療法」との併用で選択されていることがわかる2).
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