今月の臨床 不妊診療─現在の課題と将来展望
多胎妊娠の防止法
1.排卵誘発法
松崎 利也
1
,
水口 雅博
1
,
苛原 稔
1
1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部女性医学分野
pp.1446-1451
発行日 2007年12月10日
Published Date 2007/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101617
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はじめに
性腺刺激ホルモンを使用した排卵誘発,体外受精─胚移植を中心とした生殖補助医療技術の進歩により,不妊治療の成績は飛躍的に向上した.一方,多胎妊娠の発生率は1960年代半ばから上昇し始め,ゴナドトロピン製剤が健康保険採用になった1970年代半ば,さらにIVF─ETが始まった1980年代後半から急速に上昇した.多胎妊娠は,母体の合併症や早産児出生などの医学的な問題に加え,患者,家族の精神的,経済的負担や新生児医療体制への過剰な負荷などの問題を引き起こしており,今なおわれわれ産婦人科医が克服すべき重要課題である.本稿では多胎妊娠を予防するための排卵誘発法について解説する.
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