今月の臨床 ここが聞きたい―不妊・不育症診療ベストプラクティス
I 不妊の検査・診断 B卵管因子
【子宮卵管造影】
17.ヨード系の造影剤が使用できない患者の対処法について教えてください.
長田 尚夫
1
1駿河台日本大学病院産婦人科
pp.375-377
発行日 2009年4月10日
Published Date 2009/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409102006
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[1]はじめに
子宮卵管造影は,管腔臓器である子宮・卵管に造影剤を注入することによって子宮腔の形態,卵管の疎通性,骨盤内癒着の有無を診断する.本法には,ヨード造影剤を用いて行う子宮卵管造影検査(hysterosalpingography:HSG)が古くから行われているが,ヨード造影剤が使用できない場合(ヨード過敏症や重篤な甲状腺疾患のある患者など)には,検査手段を変える必要がある.
ヨード系造影剤が使用できない患者の対処法には,①子宮腔の検査を目的とする場合には,通水,レボビスト®を用いて行う超音波下子宮卵管造影検査(子宮卵管エコー図検査),または子宮鏡検査がある.②卵管の疎通性を検査する場合には,レボビスト®を用いて行う超音波下子宮卵管造影検査または腹腔鏡検査(色素通水検査)がある.③卵管周囲癒着を検査する場合には,腹腔鏡検査がある.
ここでは,通水,レボビスト®を用いて行う超音波下子宮卵管造影検査について述べる.
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