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特集 各種ガイドラインを糖尿病治療に生かすには
腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2012
Guidelines for the use of iodinated contrast media in patients with chronic kidney disease
石澤 香野
1
,
馬場園 哲也
1
,
内潟 安子
1
1東京女子医科大学 糖尿病センター内科
キーワード:
①ヨード造影剤
,
②造影剤腎症(CIN)
,
③ビクアナイド薬
,
④乳酸アシドーシス
Keyword:
①ヨード造影剤
,
②造影剤腎症(CIN)
,
③ビクアナイド薬
,
④乳酸アシドーシス
pp.183-189
発行日 2013年3月15日
Published Date 2013/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415101474
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はじめに
ヨード造影剤を使用したCT,カテーテル検査などの画像診断や,それらに基づく治療法は,現在の医療現場において必須である.しかし腎機能が低下した慢性腎臓病(chronic kidney disease : CKD)患者にヨード造影剤を使用することが,造影剤腎症(contrast-induced nephropathy : CIN)(Tips 1)を引き起こすリスクを高くすることは,古くから知られた事実である.これまでわが国では,CKD患者に対するヨード造影剤の使用に関する指針がなかったが,2012年に日本医学放射線学会,日本循環器学会および日本腎臓病学会の3学会合同で,『腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドライン2012』1)が作成された.本ガイドラインはCINを予防することを目的とし,CTやカテーテル検査・治療において,適切にヨード造影剤を使用するための指針である.
糖尿病はCKDを合併する頻度が高く,ヨード造影剤を使用した検査・治療を行う際はCINの発症に十分な注意が必要である.また近年,ビクアナイド薬を使用中の糖尿病患者では,ヨード造影剤が乳酸アシドーシスの発症リスクとなることが注目されている.本稿では,本ガイドラインが糖尿病診療に直接関連する問題として,この2点に関する指針を紹介し,考察を加えたい.
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