今月の臨床 子宮内膜症治療の最前線―症状に応じた治療戦略
【「特殊な部位の子宮内膜症」に対する治療】
2.異所性子宮内膜症
武内 裕之
1
1順天堂大学医学部産婦人科
pp.1465-1473
発行日 2008年11月10日
Published Date 2008/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101905
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異所性子宮内膜症とは
子宮内膜症とは,子宮内膜組織が子宮以外に認められる病態を総称する.子宮内膜症の代表的な発生部位は,(1)腹膜,(2)卵巣,(3)ダグラス窩の3つであり,通常,産婦人科で取り扱う内膜症のほとんどがこれら3種類の病態である1).
“異所性子宮内膜症”の明らかな定義はないが,最もポピュラーな3つの病態以外の内膜症を総称するものと考えられる.異所性子宮内膜症として頻度の高い順に列挙すると,腸管子宮内膜症,尿路系子宮内膜症,月経随伴性気胸,腹壁子宮内膜症などが挙げられる.本稿では,これら異所性子宮内膜症の病態を解説し,治療についても述べる.
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