連載 合併症と妊・産・褥婦
妊・褥婦と精神障害
森 一郎
1
,
沖 利貴
1
,
大川 敬
1
1鹿児島大学医学部産科婦人科学教室
pp.46-49
発行日 1973年5月1日
Published Date 1973/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611204523
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自律神経系と内分泌系は,生体が円滑に機能を発揮するために,きわめて重要な役割をもつとされているが,女性では性腺機能の変換期にあたる,思春期,更年期,月経前・中・後期,妊娠,分娩,産褥時,去勢後などで,一見自律神経失調様の,いわゆる"不定愁訴"を訴えがちであることから,性腺機能と自律神経との関係は従来からとくに関心が払われ種々の検索が行なわれてきた。
ところが最近,感情や心理状態も内分泌系や自律神経系に強い影響を与えることが知られるようになり,女性では,フィードバックの概念を中心として,大脳皮質—視床下部(情動・自律神経・内分泌)—下垂体—末梢内分泌系—標的臓器間の密接な関係がとみに注目されてきている。
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