原著
神経管閉鎖障害は葉酸サプリメントで予防可能―産婦人科医の認知度調査―
近藤 厚生
1
,
下須賀 洋一
2
,
市古 哲
3
,
井上 裕美
4
,
小口 秀紀
5
,
多田 克彦
6
,
山田 満尚
7
,
山本 真一
8
,
渡辺 孝紀
9
,
渡辺 潤一郎
10
1津島リハビリテーション病院泌尿器科
2小牧市民病院産婦人科
3羽島市民病院産婦人科
4湘南鎌倉総合病院産婦人科
5トヨタ記念病院産婦人科
6国立病院岡山医療センター産婦人科
7山田産婦人科病院
8刈谷豊田総合病院産婦人科
9仙台市民病院産婦人科
10横浜総合病院産婦人科
pp.885-889
発行日 2008年6月10日
Published Date 2008/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101803
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妊娠4週前から妊娠12週まで葉酸サプリメント400 μg/日を摂取すると,神経管閉鎖障害の発生リスクを低減できる.アンケート調査を行って,産婦人科医の認知度と妊婦生活指導について調べた.
葉酸の認知率は87%であり,5年前の76%に比べると有意に上昇していた(p<0.05).この情報は,85%の医師が日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会,学術講演会,学術雑誌などから入手していた.続いて16%がマスメディア,7%がインターネットであった.若い女性または妊婦へ禁煙,禁酒,栄養バランスの取れた食事,葉酸を含むサプリメントなどを推奨している医師は,それぞれ99%,86%,83%,40%であった.81%の医師は,葉酸が神経管閉鎖障害を予防できるとの情報を若い女性へ提供すべきであると考えていた.妊婦が食事から摂る葉酸は,食事摂取基準値を満たしていないので,葉酸サプリメントを摂取するよう指導することが望ましい.
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