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はじめに
卵巣癌に対する初回化学療法は,GOG158やAGOスタディによりパクリタキセル(TXL)+カルボプラチン(CBDCA)併用療法(TC療法)が標準的レジメンとして全世界に幅広く認められるようになっている1, 2).しかし,進行した表層上皮卵巣癌症例の場合はTC療法をもってしても,optimal surgeryのなされた症例の70%が,suboptimal surgeryの場合はその90%が2年以内に再発するといわれる3).すなわち,TC療法を初回治療として行うも再発した卵巣癌患者でセカンドライン化学療法を必要とするケースは日常臨床で珍しいことではない.セカンドライン化学療法の選択に当たっては,奏効した初回化学療法終了後から再発までの期間(treatment-free interval : TFI)がその奏効率に相関することが知られている.Blackledgeら4)は,再発卵巣癌に対する化学療法の奏効率は再発までが6か月未満のものが10%であったに対し18か月以上のものは94%と,前化学療法終了から再発までの期間に相関することを報告した.また,Markmanら5)は,12か月以上のプラチナ無治療期間があれば再度,プラチナ製剤を含む化学療法が効果のあるレジメンと成り得ることを報告した.このような考え方はタキサン製剤でも当てはまると考えられている.
これを受けて現在では,TFIが6か月以上の再発をプラチナ製剤感受性再発(sensitive relapse),6か月未満の再発や初回化学療法で効果がなかったものをプラチナ製剤抵抗性再発(refractory relapse)とに分類し,セカンドライン化学療法のレジメンを選択することが行われている.
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