原著
子宮脱矯正リングペッサリー挿入前後における尿失禁症状と各種検査所見の変化
加勢 宏明
1,2
,
安達 聡介
1
,
横尾 朋和
1
,
本多 啓輔
2
,
西村 紀夫
2
1厚生連佐渡総合病院産婦人科
2厚生連長岡中央綜合病院産婦人科
pp.1519-1524
発行日 2007年12月10日
Published Date 2007/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101632
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[目的]子宮脱矯正リングペッサリー(以下,ペッサリー)挿入による尿失禁症状の変化と各種所見の変化との相関を求める.[対象と方法]新規にペッサリーを挿入した18例を尿失禁症状の不良・悪化群10例と良好・改善群8例に分け,背景因子,綿棒試験,経会陰エコーの後部膀胱尿道角,頸部開大の有無,内尿道口移動距離を比較検討した.[結果](1)不良・悪化群でBMIが25.1±2.2と高値であった.(2)ペッサリー挿入前は,内尿道口移動距離が不良・悪化群で10.1±5.0mmと長かった.(3)ペッサリー挿入後は,不良・悪化群で綿棒試験の移動角が16.1±10.5度と大きかった.腹圧負荷時の膀胱頸部開大は不良・悪化群で10例中6例と多くみられた.[結論]肥満と挿入前の長い内尿道口移動がペッサリー挿入後の尿失禁発現の予測因子となる.ペッサリー挿入後の尿失禁発現は,尿道過可動と内因性尿道括約筋不全の双方が関与しうる.
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