今月の臨床 臨床遺伝学─診療に必要な最新情報
生殖医療の先天異常への影響
平原 史樹
1
1横浜市立大学大学院医学研究科生殖生育病態医学(産婦人科学)
pp.1123-1129
発行日 2007年9月10日
Published Date 2007/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101562
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はじめに
生殖補助医療(ART)による出産児数はいまや年間1万出生を大きく超え,新生児の60名に1人はARTによる出産児といわれている.これらの技術は開発され,世に送り出されたときから出産児への影響が懸念されてきた.いままでにも先天異常とARTとの関係を論じた報告が数多くあるが,最近の報告では,不妊として診療を受ける医学的理由が背景にある母集団であることも含みおいたデータとして,やはり若干の異常発生率の上昇が指摘されている.しかしながら,その背景にはますます複雑な要因の介在が示唆されてきている.本稿ではそれらの各論を論じることとする.
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