連載 症例
妊娠中に大動脈解離を起こした1例
逸見 博文
1
,
鈴木 静夫
1
,
岡村 直樹
1
,
蠣崎 和彦
1
,
吉田 俊人
2
,
其田 一
3
,
足立 憲昭
4
,
遠藤 俊明
5
,
工藤 隆一
5
1帯広協会病院産婦人科
2市立釧路総合病院血管外科
3市立釧路総合病院麻酔科
4市立釧路総合病院小児科
5札幌医科大学産婦人科
pp.330-333
発行日 2004年3月10日
Published Date 2004/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101174
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解離性大動脈瘤は予後不良の疾患であり,妊娠,分娩が解離性大動脈瘤発症の原因となることが高率であることが知られている.今回われわれは,妊娠36週にStanford B,DeBakey IIIbの解離性大動脈瘤を発症した症例に対して,人工血管置換術が施行できる体制下において緊急帝王切開術を施行し,術後ICUにて降圧療法を施行し,保存的に治療した症例を経験したので報告する.
はじめに
解離性大動脈瘤は予後不良の疾患であり,原因として動脈硬化,Marfan症候群などが多いが,妊娠・分娩が解離性大動脈瘤の原因となることが知られており,40歳以下の女性の解離性大動脈瘤の50%以上は妊娠中の発症であるという報告がある1).今回われわれは,妊娠36週に解離性大動脈瘤を発症し,帝王切開にて分娩ののち,保存的に治療した症例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
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