症例
帝王切開後,ポロー手術を施行した嵌入胎盤の1例
前鼻 健志
1
,
武田 直毅
1
,
鈴木 俊也
1
,
菊地 研
1
,
山下 陽一郎
1
1砂川市立病院産婦人科
pp.323-326
発行日 2007年3月10日
Published Date 2007/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101151
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絨毛膜羊膜炎を伴う前期破水のため帝王切開術を行ったところ癒着胎盤(嵌入胎盤)であったため,ポロー手術を行った症例を経験した.症例は29歳,前回帝王切開術既往の1回経産婦である.妊娠34週0日に前期破水を認め,39℃台の熱発があったため,緊急帝王切開術を施行した.胎児娩出後,胎盤の娩出を試みたが胎盤剝離の徴候がみられず,右側の子宮底部に腫瘤状の膨隆と筋層の菲薄化があったので嵌入胎盤と診断してポローの手術を行った.術後経過は順調で,術後8日目に退院となった.新生児は2,090 gの女児で,経過は順調で出生後30日目に当院NICUを退院した.前置胎盤の例や帝王切開術の創部への癒着の例とは異なる部位での嵌入胎盤に遭遇することは稀であり,文献的考察を加えて報告した.
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