今月の臨床 症例から学ぶ前置胎盤
症例から学ぶ
1.対応に苦慮した嵌入胎盤の1例
田熊 直之
1
,
佐々木 禎仁
1
,
千石 一雄
2
1旭川医科大学周産母子センター
2旭川医科大学産婦人科学講座
pp.1327-1331
発行日 2004年11月10日
Published Date 2004/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100660
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はじめに
われわれ周産期科医は毎日が出血との戦いといっても過言ではなく,ほんの少しの判断の遅れが,妊産婦および胎児の生命を危険にさらすことになる.さらに医療事故も含めて,何かが起こるときには往々にしてさまざまな要因が重なっているものである.非常に苦慮した前置胎盤の症例紹介が本誌の目的だが,本稿では当科において最近経験した内子宮口から2 cm以内に存在する低置胎盤1, 2)で,結果的に嵌入胎盤であり,さらにほかのさまざまな要因が重なり,大量出血,子宮全摘を余儀なくされ,対応に非常に苦慮した症例を紹介する.また,前置胎盤,癒着胎盤などの定義,詳細は本誌の他稿をご参照していただければ幸いである.
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