今月の主題 老化
検査と疾患—その動きと考え方・73
オステオポローシス
藤田 拓男
1
Takuo FUJITA
1
1神戸大学医学部第3内科
pp.52-57
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542911774
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はじめに
オステオポローシスは骨粗鬆症とも言い,骨の量的な減少がその本体であるが,臨床像としては腰痛,骨折の傾向がその主要なものであり,そのほか種々の背景疾患の症状と所見,ことに老化に伴う変化が加わって複雑な臨床像を呈する.すなわち骨粗鬆症は,いわば高血圧のように,広くみられる症状であって,その背景には異なった多くの原因や疾患が隠れている.オステオポローシスの多様性ということが,その診断や治療を考えるうえにきわめて重要である.ここではオステオポローシスを示す1例を提示し,その背景を考察し,診断に至る過程を追ってみたい.
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