今月の臨床 子宮体癌の最新知見─専門医のために
子宮体癌の術後化学療法・放射線療法
梅咲 直彦
1
,
粉川 克司
1
,
田中 哲二
1
1和歌山県立医科大学産婦人科学教室
pp.143-147
発行日 2007年2月10日
Published Date 2007/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409101121
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はじめに
子宮体癌の治療戦略は欧米と本邦において大きな違いがある.本邦では術前に可能な限り詳細に臨床進行期を決定し,それにより手術療法の個別化をはかるとともに,後腹膜リンパ節郭清を積極的に行う.そのため術後の補助療法は,リンパ節転移などのある症例に限り,また放射線よりも化学療法を選ぶ傾向にある.また,腟壁が十分に切除されるので,欧米ではしばしば行われる腔内照射を施行されることは少ない.一方,欧米では初回治療は単純子宮全摘出術および両側付属器摘出術を行い,その摘出標本の病理組織学的な検討から正確に再発リスクを評価し,リスク別に術後の補助療法を選択している.リンパ節郭清に関しては生検にとどめたり,省略することもある.また,腟壁の再発を防止するために腔内照射が盛んに行われている.
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