連載 OBSTETRIC NEWS
陣痛発来時の早過ぎる入院で分娩進行異常のための帝王切開は増加する
武久 徹
1
1武久産婦人科医院
pp.1102-1103
発行日 2003年8月10日
Published Date 2003/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100867
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未産婦の帝王切開(帝切)の理由の50~70%は分娩進行異常である.したがって,未産婦の分娩進行異常のための帝切が減少すれば,帝切全体が減少する.
また,入院時の頸管開大が進行している例では,頸管開大が進んでいない例より帝切率は有意に減少することが示唆されている.Holmesら(オタワ)は,自然陣痛発来,妊娠37~42週,単胎,頭位,初回来院から36時間以内に分娩,初回陣痛発来来院時に未破水の妊婦(未産婦1,246例,経産婦2,136例)を対象に,入院時の頸管開大と分娩転機を検討した.初回陣痛発来のため入院時の頸管開大が3 cm以下の未産婦の21%は一時帰宅し平均11時間後に再入院となったが,来院時に頸管開大が4 cm以上だった例に比較して帝切率と産科的介入(オキシトシン投与,硬膜外麻酔採用)が有意に増加すると報告した(表1)(AJOG 184 : S114, 2001).したがって,入院時の頸管所見により帝切率を減少させられる可能性がある.
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