今月の臨床 不妊治療の難題を解く―最新のエビデンスを考慮した解説
EBMからみた一般不妊治療
1.卵管手術の有用性は?
末岡 浩
1
1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室
pp.1358-1361
発行日 2003年11月10日
Published Date 2003/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100783
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
開腹手術と腹腔鏡手術
古くから卵管手術は開腹手術による観血的治療が行われてきた.卵管の癒着剥離,卵管閉鎖部位の切除・端々吻合,卵管留水症に関しては卵管采形成手術が開眼的ないしは顕微鏡下(マイクロサージャリー)に行われてきた1, 2).
とくに,マイクロサージャリーは経験と技術を要するもので特殊なトレーニングが必要であった.開腹手術は卵管のすべての病変に対応できる広い適用範囲があることが長所であるが,その一方で侵襲性は大きく入院期間も長く,再閉鎖による複数回の手術は次第に困難となりうる.さらに卵管内腔の病態把握は術中には実質的に困難であり,多発性卵管通過障害が存在する場合などには対応はとくに困難と考えられている3).
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.