今月の臨床 一刀両断! 良性疾患の手術適応—妊孕性と症状の患者ニーズに応える
卵巣・卵管
卵管閉塞—FTカテーテルの適応と有用性,術後成績
逸見 博文
1
,
岩城 豊
1
,
遠藤 俊明
1
1斗南病院婦人科・生殖内分泌科
キーワード:
卵管鏡下卵管形成術
,
falloposcopic tuboplasty
,
FT
,
術中造影併用FTの選択
,
FT術後自然妊娠率
Keyword:
卵管鏡下卵管形成術
,
falloposcopic tuboplasty
,
FT
,
術中造影併用FTの選択
,
FT術後自然妊娠率
pp.943-950
発行日 2025年10月10日
Published Date 2025/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.038698650790100943
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●卵管鏡下卵管形成術(FT)は,卵管近位部閉塞に対して低侵襲に形成を行うことができる方法である.卵管形成成功率は87.1%であるが,形成を成功させるにはFTカテーテルキットの構造の理解と操作のコツを習得する必要がある.
●クラミジア既往,卵巣子宮内膜症,開腹・腹腔鏡手術既往がない症例の約9割では腹腔鏡での処置を要する所見がなかったことから,腹腔鏡併用を省略し,術中造影を併用したFT施行を選択する方法もある.
●術後自然妊娠率は27.2%,妊娠までの平均期間は6.0±4.2か月であり,自然妊娠した症例の卵管内腔の襞は豊富であった.
●術後27.6%の卵管が再閉塞していたことから,術後一定期間のうちに自然妊娠しない場合は卵管再閉塞,卵管機能不全,受精障害などがある可能性も考慮して,体外受精へのステップアップを検討する.

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