今月の臨床 妊娠のリスク評価
妊娠経過の異常とリスク評価
8. 感染症
種村 光代
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科生殖遺伝医学講座生殖発生医学分野
pp.1002-1005
発行日 2006年7月10日
Published Date 2006/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100754
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はじめに
妊娠の管理は感染症との戦いである.妊婦は免疫寛容なうえ,胎児の存在を考慮すると選択できる治療法が限られる.一方,胎児は免疫系の発育途上にあり,いったん感染が成立すると成人の感染には認められないような重篤な後障害を示す場合がある.妊娠中の感染症と一口にいっても,母体そのものに多大な影響を与える感染症以外に,催奇形性の点で問題となるTORCH,早産の原因として注目される絨毛膜羊膜炎など多岐にわたり,すべてを網羅することは誌面の都合上無理がある.本稿では,学会などから診療指針が示されていたり,検査や治療方法,その効果が明らかとなってきている感染症を取り上げて解説する.
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