今月の臨床 妊娠のリスク評価
妊娠経過の異常とリスク評価
7. 多胎妊娠
川越 靖之
1
,
鮫島 浩
1
1宮崎大学医学部産婦人科
pp.998-1001
発行日 2006年7月10日
Published Date 2006/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100753
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はじめに
多胎妊娠は不妊症の治療に伴い増加しており,母体と胎児にさまざまな合併症を生じる.母体合併症として早産,妊娠高血圧症候群,凝固線溶系異常が多い.胎児は膜性により合併症の出現頻度が異なる.一絨毛膜性双胎では二絨毛膜性双胎に比し流産,早産,奇形,胎児異常が出現しやすい.また,discordant twinの胎児発育パターンや一児胎児死亡の時期や原因も膜性により異なることが明らかとなってきた.膜性診断が児の予後の予測に非常に重要であり,それぞれのリスクに応じて慎重な胎児管理を行う必要がある.
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