特集 最新の診療NAVI―日常診療必携
Ⅶ.炎症・感染症診療NAVI
8.EBV感染症
高原 幹
1
1旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科
pp.217-222
発行日 2012年4月30日
Published Date 2012/4/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102161
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Ⅰ はじめに
EBウイルス(Epstein-Barr virus:EBV)の発見は,1964年にEpsteinら1)が電子顕微鏡にてバーキットリンパ腫の培養細胞内にヘルペスウイルスに似たウイルスを同定したことによる。彼らはその培養上清にてBリンパ球を培養するとB細胞が不死化することを発見し,EBVを癌ウイルスとして定義づけた2)。その後の研究により,バーキットリンパ腫,ホジキン病,上咽頭癌,鼻性NK/T細胞リンパ腫といった悪性腫瘍や血球貪食症候群,慢性活動性EBV感染症,自己免疫疾患などとのかかわりが明らかになってきている。本稿では,EBVの特徴と感染の診断,および耳鼻咽喉科領域のEBV関連疾患について概説する。
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