今月の臨床 骨粗鬆症をめぐる新しい話題
予防・治療法
ラロキシフェン(SERM)―ラロキシフェンの骨粗鬆治療における位置づけ
野崎 雅裕
1
1九州大学大学院医学研究院生殖病態生理学
pp.1107-1111
発行日 2005年8月10日
Published Date 2005/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409100471
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はじめに
本邦における女性の平均寿命は85歳を超え,中高年女性の健康を守ることがさらに重要となってきた.そのなかでも,骨粗鬆症に対する生活習慣の改善および積極的な予防的治療により中高年女性が受ける恩恵は,一般女性が認識している以上に大きいものである.閉経前後から女性の骨代謝は高回転型となり,加齢とともに骨量は確実に低下する.この高回転型骨代謝を抑制するためには,前出の生活習慣,ライフスタイルの改善はもちろんのこと,各種薬剤の適正な使用が必要である.カルシウム製剤,活性型ビタミンD製剤は,健全な骨代謝を維持するための基礎となるものである.骨粗鬆症のほかの治療法としては,ビスフォスホネート製剤やホルモン補充療法(HRT)に加えて,選択的エストロゲン受容体モジュレーター(selective estrogen receptor modulator : SERM)であるラロキシフェンなどが知られている.本稿では,筆者が考えているラロキシフェンの骨粗鬆症治療における位置づけについて述べたい.
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